クロード・ホプキンスに学ぶ「広告の科学」とは?

クロード・ホプキンスに学ぶ「広告の科学」とは?

今回は、伝説的な広告マンの一人であるクロード・ホプキンスについて、紹介したいと思います。

クロードホプキンス(1866-1932)は、広告科学の創始者と言われている人で、20世紀前半に活躍した広告業界のパイオニア的な存在です。

あなたは、彼について学ぶとき、時代を越えても変わることのない広告の原理・原則を学ぶことができるようになるでしょう。

そして、その原理・原則はもちろん、現代にも通用するものであり、あなたの日々の仕事を強力に導いてくれることでしょう。

さて、一体、彼はどんなことをしたのでしょうか?

目次

クロード・ホプキンスの代表的な著書は?

まずは、クロード・ホプキンスの代表的な著書。1923年に出版された『広告マーケティング21の原則』という本から見ていきたいと思います。

ちなみにこの本、アマゾンの中古品として、3万円の値段がつけられるぐらい、この現代においても価値ある本として認識されています。

『広告マーケティング21の原則』

また、広告業界の偉人デイヴィッド・オグルヴィは、この本について、次のように述べています。

「この本(『広告マーケティング21の原則』)を7回読むまでは広告の仕事に携わるべきではない。この本は私の人生を変えた」

こんな偉人に、ここまで言わしめた『広告マーケティング21の原則』とは、どんな本なのでしょうか?

かなり膨大な内容なので、ポイントを要約してご紹介したいと思います。

【原則1】広告の原則誕生

自然科学と同じように、広告にも成功のための原理・原則があることが述べられています。

広告はアイディアやクリエイティビティが求められるように思えますが、その土台には、歴史の試練に耐え抜かれた普遍不朽の原理と原則が存在するのです。

つまり、広告はギャンブルなんかではなく、アートの要素も含む科学なのです。

【原則2】セールスマンシップ

広告とは、印刷されたセールスマンです。

あなたは優秀なセールスマンと聞いて、どういう人を思い浮かべることができるでしょうか?

決して、商品・サービスのメリットばかり強調して図々しく売り込んでくる人ではないですよね?

広告は、そこにどんなに良いことが書かれていたとしても、広告は広告であるという時点で警戒されているということを知るべきです。

優秀なセールスマンはいきなり、商品・サービスを売ろうとするのではなく、見込み客の問題解決や願望成就のお手伝いをしようとします。

あなたの作る広告はすべて、優秀なセールスマンを育てるように扱っていきましょう。

【原則3】サービスの提供

多くの売れない広告の主語は「私たちは〜」で始まります。

一方で、売れる広告の主語は「あなたは〜」で始まります。

なぜなら、広告の読み手は広告の作り手の関心や利益には何の興味も持っていないからです。

読み手が求めているのは自分に与えられるサービスだけです。

ところが、実に多くの広告がこの事実を無視して、気づかないまま大きな損害を出しているのです。

消費者は説得されることはあっても、追い立てられることはありません。消費者は自分のしたいように行動します。

あなたは、こうした事実を忘れなければ、広告の失敗を大幅に減らすことができるでしょう。

優れた広告は、誰にも買うことを求めず、読み手にサービスすることに全精力を注ぎ混みます。

サービスに全精力を注ぐとは例えば、読み手が知りたがっている情報を提供し、読み手にとってのメリットを伝えることです。

読み手が何のコストもリスクも負うことなく、広告の主張が事実かどうかを確かめることができるようにすることです。

そして、サンプルや現品を無料で提供するか、返品できる条件で商品を送ることです。

このように、広告は、人間の性質を理解した上で作成されているのです。

【原則4】通販広告の教訓

広告業界での成功を本気で願うなら、最も過酷な試験をパスしなければなりません。

そして、その試験とは、通信販売で商品を売ることです。

なぜなら、通信販売ではすぐに、その広告の成果が数字で明確に現れるからです。

下記、これは通販広告の定義としては素晴らしいものだと思いますので、著書からそのまま引用させていただきます。

通販広告のスペースは、無駄なく利用されている。文字も小さな文字が利用されている。通常に印刷物よりも小さいのが普通だ。無駄なスペースはどこにもない。これは大きな文字が利益を生まないことを示している。通販広告には無駄な文言もない。自慢話もない。意味のないおしゃべりもなければ、楽しませようという企図もない。娯楽要素も皆無なのである。通販広告にはクーポンがついていることが多い。興味を持った客に何らかの行動を起こしてもらうためだ。通販広告の広告主は、人間が忘れっぽい生き物であることを知っている。読み手は、何か他の面白い記事などを見つけて夢中になっているかもしれない。もしくは、広告と接触後、夢中になるかもしれない。目を留め、何かをしようと思った人の大半は5分でその決定を忘れてしまうのだ。通販広告には常に的を得たイラストが利用される。イラストはそれ自体がセールスマンだ。通販広告に学ぶべき点が多いことを知るべきである。

よく企業の幹部に「こんな長いコピー誰も読まないよ」と言う人がいますが、通販広告ではむしろ逆です。

通販広告の成功法則では「情報が多ければ多いほど、売り上げは増える」のです。

【原則5】見出し

広告とセールス(営業)担当者との「違い」は何でしょうか?

それは、直接お客さんに会って話ができるかどうかです。

そして、一度出会ってしまったら、セールス(営業)担当者を無視することは難しいですが、広告は一瞬で無視することができます。人間関係もないので、一瞬でゴミ箱に捨てることもできてしまいます。

だから、見出しで読む価値があることをアピールすることができなければ、どんなに本文にいい内容が書かれていたとしても、それは永遠に読まれることはありません。

相手の関心を引くために、相手の心を掴むことができる見出しを考えていきましょう。

【原則6】人間の心理

人間の性質、心理には不変の法則があります。

例えば、江戸時代と現代の時代の人間性には、不変の法則があります。

どんな人間にも、恐れ、恥、希望、欲望などの感情があります。

ある企業はビジネスマン向けにひとそろいの書籍を販売していたが、売上は伸びない。広告の専門家に相談したところ、「少しだけ手を加えましょう。効果は折り紙つきの方法です。本を買ってくれたら、金文字で名前を入れると書き添えるのです」と専門家は言った。この文言を追加したところ、数十万冊が売れた。書籍に大きな付加価値を与えたのである。

この事例のように、人間の心理には様々な側面があります。

このような人間の心理は直感的に学ぶか、経験を通して学ぶことが多いですが、プロの広告人はそれを他人の経験から学びます。

だから、本当にプロの広告人になるのであれば、怠惰であってはいけません。

広告業界には、怠惰な人間の居場所はないのです。

【原則7】具体的であること

「体重を驚異的なスピードで減らすことができます」

ではなく、

「あなたの体重を1週間以内に、4,8kg落とす方法をお教えいたします。しかも、ある食べ物を食べるだけです」

というように、具体的な事実を述べることで、広告の説得力が高まります。

【原則8】商品を語りつくす

商品について徹底的に調べて、その商品のセールスポイントは広告で、全て語り尽くす必要があります。

なぜなら、商品のある事実は、ある見込み客の心を掴み、別の事実は別の見込み客の心を掴むというように、ある事実を伝えないということは、その事実によって説得されたかもしれない見込み客を逃すことになってしまうからです。

商品が自分から勝手に語り始めるように、徹底的に商品を調べ尽くして、商品のあらゆる側面を広告で語りつくしていきましょう。

【原則9】イラスト

広告においては、ライティングだけでなく、写真やイラストも重要な要素です。

ほとんどの衣料品の広告では広告に説得力を与える上で、写真やイラストが最も大きな役割を果たしています。

商品である衣服だけではなく、人々がうらやむような男女、人々が憧れるような場面が描かれています。こうした写真やイラストは、その商品を買うことが、憧れの生活を手に入れる一歩となることをほのめかしています。通信講座の広告も同様で、高い地位についている人物や前途洋々の若者を描いた写真やイラストを使っています。化粧品の広告も誰もが憧れるような美しく魅力的な女性の写真やイラストを使っています。

【原則10】高くつくアイデア

広告では主に斬新なアイデアが要求されるように思いがちです。

でも、この考え方には注意が必要です。

なぜなら、アイデアを出すのは一瞬であっても、その実行には「コスト」と「労力」と「時間」がかかるからです。

消費者の意識と行動を変えるには、膨大なコストがかかるのです。

だから、賢い企業は、市場の新しい流行やニーズの動向に常に注目しています。そして、消費者の新しい欲求をつかんだら、絶妙のタイミングで商品提示をするのです。

こうすることにより、企業は膨大なコストをかけずに、消費者の関心を惹きつけることができるのです。

最も大事なことは、広告を科学的に分析して、アイデアに対する費用対効果を高めていく態度と行動なのです。

【原則11】情報の重要性

広告を作る上で、多くの人が犯しがちな間違いは、これから広告しようとしている商品・サービスをろくに調べずに広告を作ろうとすることにあります。

どんなにシンプルな広告でも、それができるまでには膨大な資料を読み込んだり、重要な事実を発見しようとする努力こそが、大ヒットする広告を生み出す原動力となるのです。

広告を書こうとする人は絶対に怠惰でいることはできません。常に、知的好奇心と商品・サービスや見込み客のことを誰よりも知ろうとする意識と態度こそが、人々の心を動かす広告を生み出すのです。

【原則12】戦略

戦略とは、その文字の通り、戦いを省くことにあります。

具体的に、戦略を作るためには、

・自社のビジネスは、顧客のどんな問題を解決することができるのか?

・自社の顧客は、どんな人であり、何を求めているのか?

・直接競合、間接競合と違うところはどんなところか?

を徹底的に調査して、明確にしていく必要があります。

【原則13】サンプルの使用

サンプルを作るには、コストがかかりますが、それ以上に利益の見返りが期待できます。

なぜなら、「無料」という言葉を広告に挿入できるからです。「無料」という言葉を広告に挿入することにより、広告の読者を増やし、広告の閲覧率が増えてきます。

ただし、サンプルは商品に興味を持っている人だけに提供するようにしましょう。

それに注意しなければ、興味本位の買う気のない見込み客が大量に集まるという結果に陥ってしまいます。

【原則14】流通の確保

流通とは、リスティング広告、Facebook広告、Twitter広告、メルマガ、ダイレクトメールなどの広告の出し先のことです。

どんなに素晴らしい広告を作ったとしても、その広告を見てもらえなければ反応はゼロですよね?

だから、広告は事前にしっかりと流通を確保した上で始めていきましょう。

【原則15】テストキャンペーン

「この広告、本当に効果があるの?」

この疑問に答える方法は、たった一つしかありません。

それは、本格的にメディア(媒体)に資金を投入する前に、テストすることです。

会社の会議室で「あーだこーだ」と議論しても時間の無駄です。なぜなら、マーケティングにおいては最後の判断は商品・サービスの買い手である顧客に委ねられているからです。

まずは小さい規模でキャンペーンを実施し、コストと結果を観察しましょう。100人にかかるコストと結果が分かれば、1,000人〜10,000人にかかるコストと結果はほぼ正確に予測することができます。

もし化学者が何の根拠もなくこの化合物は最高だ、この化合物が優れていると言ったら、誰もその意見を尊重しないだろう。本物の化学者はテストを時には何百回も行い、最高の結果をもたらす化合物を突き止める。証明されていない過程が結論に用いられることはない。

このように、広告においてもテストを繰り返すことで、効果実証済の方法を発見することができるのです。

【原則16】販売店との関係

商品・サービスを販売する上で、販売店の力を借りることは有効な手段です。

しかし、販売店に販売を依存してはいけません。

なぜなら、彼らは必ずしもあなたの商品・サービスを積極的に販売してくれるとは限らないからです。

自分の商品・サービスは自分自身の力で売ること。

常に、この原理・原則を忘れないようにしましゅう。

【原則17】個性

広告とは、究極的には買い手と売り手とのパーソナルな人間関係を築き、その結果として商品・サービスを販売するものです。

したがって、人間ひとりひとりが個性を持っているように、広告にも個性を持たせる必要があります。

例えば、好き嫌いがはっきりする商品では、気さくな人柄を身にまとい、正直さが大切な商品では、素直さや率直さをアピールしたり、そして、信頼感が求められる商品では権威性という個性を伝える必要があるのです。

つまり、広告主が広告で伝える個性は、企業がターゲットとする見込み客や顧客に対して、最も最適なものである必要があるのです。

【原則18】ネガティブ広告

誰かを批判するような広告は絶対にやってはいけません。

なぜなら、人は最終的には、ネガティブなメッセージよりもポジティブなメッセージに惹きつけられるからです。

常に、広告では、通常の人間関係と同じように相手を理解し、共感し、そして、解決策という希望を示していきましょう。

【原則19】ダイレクトメール

ダイレクトメールは最強のメディアです。

ただし、コストがかかる手法であるため、既存客へのアップセルなど、バックエンド商品(利益獲得用商品)を売る時に使うことをお勧めします。

他のメディアも同じですが、人間は怠惰であり、なかなか行動しない。行動を先延ばしにする生き物です。そして、ほとんどの場合、先延ばしにされた行動は忘れられるということを強く認識して、広告を作っていきましょう。

【原則20】商品名

できれば、商品そのものの特徴、ベネフィットが伝わるような商品名をつけていきましょう。

広告主のためにつけられた、消費者にとってはまるで意味のない商品名は、販売を助けるどころか、妨げになってしまいます。

「名は体を表す」

という言葉があるように、商品名はしっかりと考えて、消費者の立場に立って、考えていきましょう。

【原則21】健全なビジネス

健全なビジネスを作ろうと思うのなら、装飾語をたっぷり使ったような意味のない言葉遊びを今すぐに止めてください。

その代わりに、広告の結果を科学的に厳密に測定して、広告を改善する習慣を身につけていきましょう。

そうすることにより、あなたのビジネスはギャンブルではなく、予測が可能な健全なビジネスに生まれ変わらせることができるようになります。

ホプキンスの主な業績とは?

ホプキンスの業績の中で特筆すべきことを要約すると、下記のようになります。

広告の世界にテスト・マーケティングを導入した。

クーポンの使用、無料サンプル、広告に対するレスポンスを計測できるようにするための鍵つき広告(訳注:資料請求、モニター募集などを行う際に、どの媒体からの反応かがわかるようにあらかじめ記号(鍵)をつけたものを導入した

華やかで中身のない言葉より、意味のあるコピーを生むために「商品の徹底的な研究」という原理を取り入れた。

広告ごとに顧客1人にかかるコストと売り上げに対するコストを計測した。

それらを基準に広告の効果を比較し、キャンペーンごとに広告を改良した。

そして、わかったことを原理としてまとめ、次の商品キャンペーンに応用し、テストした。

ホプキンスのキャンペーンは大当たりだった。

そのほとんどは徹底した商品研究に基づく「説得広告」(商品やサービスの素晴らしさを説明して消費者を説得する広告)の成果だった。

これらは、今では当たり前になっていることですが、その当時としては先鋭的な方法でした。

クロード・ホプキンスが考える広告の目的とは?

ホプキンスの考えでは、広告の唯一の目的はものを売ることでした。

だとすれば広告の良し悪しを測る物差しは1つしかありません。

それは、広告の直接の結果として生じる売り上げにあるとホプキンスは考えたのです。

現代では、SNSの「いいね!」や「フォロワー」など、広告の効果を測るための指標(物差し)が様々、開発されています。

でも、結局は、それらが売り上げに結びつかないければ、広告を出す意味はありませんよね?

ホプキンスの素晴らしいところは当時、誰よりも早くそのことに気づき、それを行動として体現していたことでした。

クライアントの資金を使い、彼らの事業の成功がかかっているキャンペーンを実施するからには、勝算のない賭けはしない。

ホプキンスは、そのように考えていました。

そして、その結果として生まれたものが、彼の代名詞である「科学的広告法」だったのです。

何かを売り込もうと思うなら、その商品・サービスの対象者のことを徹底的に理解しなければならない

ホプキンスは貧しい家庭に育ちました。

そうしたこともあり、ホプキンスは貧困層や労働者階級の人々が何を望み、どんな問題に直面しているかをよく理解していました。

そして、彼らはホプキンスの将来の顧客になる人々であり、ホプキンスは彼らに対して、どのように話しかければ仲間だと思ってもらえるかを心得ていたのです。

何かを売り込もうとするなら、オーディエンス(広告の対象者)を理解しなければならない。

ホプキンスは、この基本原則を徹底的に理解していたのです。

広告の作り手にあるよくある間違いは、広告の対象者をほとんど理解しない、理解しようともしないままに、自分たちは広告クリエイターだと妄想して、広告キャンペーンを展開してしまうことにあります。

これは、広告に限らず、あらゆる人間関係に言えることですが、相手に影響を与えたいのなら、「自分は相手を理解している」と相手に感じさせる必要があります。

自分自身に置き換えて考えてみれば実感できると思いますが、あなたは自分のことを理解していない、理解しようともしてくれない人から商品・サービスを買いたいとは思いませんよね?

考えれば、ごくごく当たり前ですが、現代でも多くの人ができていないことをホプキンスは深く心得ていたのです。

ホプキンスの原点はセールスマンだった

ホプキンスは早くから訪問販売でお金を稼いでいました。わずか10歳で父を亡くし、家族の生活を支えるために必死で働いたおかげで、彼には売り込みのきっかけをつかむ方法がしっかり身についていたのです。

無料サンプルやクーポンの効果を学んだのもこの時期で、これはのちにホプキンスの多数のキャンペーンの基礎となりました。

結果の前では、誰も反論できない

彼の最初のキャリアの中で、こんな面白いエピソードがあります。

彼は、最初から広告業界に入ったわけではありませんでした。

始めはミシガン州グランドラピッズのビッセル・カーペット掃除機会社で簿記係として働いていました。

まもなく、その会社で経営者が販売コピーを書くのを手伝う機会を得たのですが、彼の出したアイディアが役員たちの反発を食らってしまったのです。

経営者は掃除機のすぐれた構造を強調したいと考えていました。

それに対して、ホプキンスは女性の消費者の心をつかむために、掃除機のデザインと使用した木材の美しさを強調するべきだと主張したのです。

役員たちはなかなか首を縦に振りませんでしたが、ついに彼らもホプキンスの考えに賛成しました。木材の美しさを強調した売り込みが結果を出したからです。

結果の前には、誰も反論できません。

それ以来ホプキンスは専門の広告マンになり、数々の商品のコピーを書いて成功させ、広告代理店ロード・アンド・トーマスの役員から社長にまで上り詰め、シェービングクリームのパーモリーブ、シリアルのクエーカーオーツ、歯磨きのペプソデントといった有名ブランドの広告を担当して、正真正銘の有名人となりました。

なぜ、ホプキンスは成功することができたのか?

ホプキンスの成功は決して、偶然ではありません。

ホプキンスのキャンペーンが成功した理由は、主に彼が「追跡広告」と呼ぶものにあったのです。

ホプキンスは効果が証明されていない広告理論はまったく信用しませんでした。

ホプキンスには、広告は1つ1つがセールスマンであり、雇っているセールスマンの成功率を比較するのと同様に、広告のレスポンス率を比較してコストと結果に責任を持たせるべきであるという硬い信念があったのです。

ホプキンスは、広告には一般に認められ、結果によって支持されている基本法則があって、広告に携わる人間はそれらを学ぶ必要があると考えていました。

でも、基本法則に従っていれば結果が出るほど広告の世界は甘くありません。

たとえ、基本的な原理に基づいて制作されていても、あらゆる販促資料や広告はテストする必要があります。

ホプキンスの飾らない人柄、オーディエンスへの理解、そして、自分が作り出したものの効果を売り上げという形で証明したいという切実な気持ちこそ、彼の成功の原動力だったのです。

まとめ

クロードホプキンスの生きた時代は、今のように、インターネットが発達した時代ではありませんでした。

でも、そんな時代において、すでに広告をアートではなく、計測可能な科学として捉えていたことには、ただただ、驚かされます。

「我々は巨人の肩に乗っている」

僕は、セールスライティングや広告を学ぶたびに、常に畏敬の念を感じます。

最先端の広告を学ぶことのもいいですが、古典に学ぶことは、僕たちに常に普遍不朽の原理原則を教えてくれるのです。

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