数字、データ、論理?でも、マーケティングが退屈で良いわけないだろ!

日頃の業務の中で、多くの経営幹部と話していて強く感じることがあります。

「つまらない・・・」

彼らはエリートです。論理的で理路整然としたデータ、事例、数字が大好きです。

会議を行っていても常に数字を軸に、どうすればもっと新規顧客を増やせるか?、商品単価を上げられるか?、リピートを増やせるかについて、激論を交わし、議論の主導権を握ろうとするのが野心的な彼らの共通点です。

これが綺麗なオフィスの会議室で日々、繰り広げられている光景です。

でも、批判を承知で言いますが、僕はこれが常につまらなく無駄な時間に思えるんです。

なぜなら、生身の感情を持った見込み客や顧客の感情について、一切関心が払われることがなく、そのことについて1分も議論されていないからです。

すべてがそうだと言うつもりはありませんが、多くの企業のエグゼクティブ(舌を噛みそうだ・・・)、つまり企業の中で役職が上の偉い人たちは人間としての感情をマーケティングに取り入れることの重要性について、まったく理解していません。

彼らの議論が論理的であればあるほど、データ、事例、数字が主役になればなるほど、ビジネスにおいて最も重要な「人間の感情」が欠けているがために、そのマーケティングは多くの場合、失敗に終わってしまうのです。

そして、マーケティングがうまく機能しなければ企業全体がその影響を受けることになってしまいます。

経営会議資料の中に記述されている数字はただの数字ではありません。その数字1つ1つには実に多くの生身の人間の願望、期待が込められているのです。

どんな人間でも感情が動かされることによって意思決定をします。そして、その後にその意思決定を正当化する理屈を探すのが人間なのです。

例えば、僕は企業の担当者として様々なマーケティング・ツールの売り込みを受けていますが、それを買うか買わないかを理屈だけで決めているのではありません。

むしろ、最初は感情的に「面白そうな商品・サービスだな。こんな場面で使えるかもしれないぞ」という期待の感情があって、その後にそれを正当化したり、逆に「いやいや、うまくいかないかもしれない」と反論をしてみたりしています。

僕たちが反応を示すのはその広告、セールスレター、セールス電話などが、僕たちの感情の引き金を引いた時だけです。

買う気満々の顕在的な見込み客であれば通用するかもしれませんが、問題や願望に気づいていない潜在的な見込み客の興味を引こうとする企て、試みが退屈で、無味乾燥で、専門的で、論理的な訴えばかりであれば、それは確実に失敗するでしょう。

僕たちが持っている感情的な欲求は基本的に、みな同じです。

何かを失いたくないと思う気持ち。それから、愛情、力、自由、快楽などを得たいという気持ちを心のうちに秘めて毎日を生きているのが僕たち人間なのです。

「人間は感情で動き、それから理屈でそれを正当化する」

このことを忘れずに、あなたのビジネスの見込み客の感情に訴える引き金を見つけましょう。

そして、見込み客に対して、彼ら彼女らが心から望むものを与えることができることを伝え、そのことを実演、証明して、今すぐの行動を提案していきましょう。

それこそが機能するマーケティングを行うということであり、企業のエグゼクティブが常に関心を持ち、議論すべきことなのです。

だから、マーケティングが退屈で良いわけはないのです。

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