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セールスライティングには、解決すべき課題が2つあります。それは、「書くべきことを決めること」、それから、それを「どのように書くか」という方法論です。
1つ目の解決すべき課題「書くべきことを決めること」は、「どのように書くか」を考えるよりもずっと難しいことです。なぜなら、「書くべきことを決めること」には、地道なリサーチの労力と時間が必要となるからです。
セールスライティングの本場であるアメリカで、25年の長きに渡り、様々な商品を大ヒットさせてきたフリーのセールスライターであるジョン・カールトンは、この「書くべきことを決めること」を「販売捜査」と呼んでいます。
「販売捜査」の目的は、セールス全体のストーリーの裏付けとなる証拠や材料を発見することにあります。
「書くべきこと」が決まったら、次に何をするのか?
セールスレターをどのような順番で書くかを決めます。
「セールスレターには、この順番で書かなければならない」
というような決まりきったルールのようなものはありませんが、型のようなものは多数、存在します。
その中でも今、世界で一番反応が取れているとされるセールスレターを書く流れがありますので、今回はそれを紹介したいと思います。
それは、
「QUESTフォーミュラ」
というものです。
「QUEST」というのは、セールスレターを書く流れ(ステップ)のそれぞれの頭文字をとったものです。そして、「フォーミュラ」というのは日本語で「型」という意味です。
この「QUESTフォーミュラ」は、2005年12月4日、一流のセールスライターであるマイケル・フォーティン氏によって紹介されました。それから、10年以上経った今でも、彼が考案した「QUESTフォーミュラ」の型は、多くの人に影響を与え、真似され続けています。
「QUESTフォーミュラ」とは、下記の5つの流れに従って、セールスレターを書いていくことです。
1.Qualify(絞り込む・対象者を選別する)
2.Understand(共感する)
3.Educate(啓発する)
4.Stimulate(興奮させる)
5.Transition(変化させる)
それでは、「QUESTフォーミュラ」について、ひとつひとつ解説していきます。
1.Qualify(絞り込む・対象者を選別する)
「Qualify」とは、日本語では「資格を取得する」、「適任である」という意味ですが、セールスレターの一番最初に来る「Qualify」は、
「セールスレターの読み手を明確に設定して、あなたの問題を解決するのは、この私ですよ!」
と高らかに宣言する場所です。
「Qualify」では、あなたのセールスレターの読者を絞り込み、選別し、これからセールスレターで展開していく話題への心構えを作っていきます。そして、同時に、あなたのセールスレターの対象者ではない人、ただの冷やかし客を除外していきます。
多くの場合、これはセールスレターのヘッドライン(見出し)の役割になります。
例:
もっと簡単に売りたいけど、どうしたらいいかわからない営業マンへ
営業マンから億万長者メーカーになったダン・ケネディが明かす、マイナス思考の小心者がセールスで成功する方法
万人の心に響くセールスレターは存在しない
そもそもなぜ、セールスレターの読者を絞り込むのかというと、セールスレターの本質というものは、個人的な手紙と同じように、「特定の個人に宛てたもの」だからです。万人の心に響く手紙が存在しないように、万人の心に響くセールスレターも存在しないのです。
したがって、セールスレターは読み手が決まらないと書くことができません。
セールスレターをラブレターに例えて、考えてみれば分かりますが、まさか不特定多数の人にラブレターを出す人はいませんよね?
仮に、書けたとしても、それらは全くの的外れなものになってしまう可能性大です。
なぜなら、読み手の立場からすれば一体、誰に向かって話しかけられているのかが分からないからです。
セールスレターの出だし(オープニング)では、読み手にしっかりと「自分に向かって話しかけられているのだ」と気づかせることが不可欠です。
それができなければ、読み手は、あなたのセールスレターを目にしたとしても「自分には関係のないことだ」と思ってしまい、あなたのセールスレターを読むことをやめてしまうでしょう。
読み手の心を掴むのにかけられる時間はたったの5秒
プロのセールスライターは、セールスレターを読み手に送ってから、読み手の心を掴むのにかけられる時間が「たったの5秒」しかないことを知っています。
もしも、その5秒で読み手が、あなたのセールスレターにザーッと目を通して、何も興味を感じなければ、そのセールスレターは直ちにゴミ箱行になってしまいます。
ウェブサイト上のセールスレターであれば、すぐに他のサイトへと読み手の興味が移ってしまい、その後、読み手はあなたのセールスレターを読むために戻ってくることは二度とありません。
「いい見出しを思いつけば、ほとんどいい広告ができたも同然だ」
これは伝説のコピーライターと呼ばれているジョン・ケープルズの言葉です。
そして、彼はこんなことも言っています。
「しかし、どんなに優れたライターでも、下手な見出しで立派な広告を作ることはできない」
つまり、どのような形態のものであれ、セールスレターでは「第一印象」がその成否を分けるのです。
第一印象とは、読み手が最初に目にして読む、あるいは聞くものです。
つまり、ヘッドライン(見出し)です。
第一印象が面白くなかったり、退屈だったり、自分に関係のないものだったりすると、そのセールスレターは読み手の注意を引きつけることができません。
そして、ヘッドライン(見出し)で読み手の注意を引きつけることに失敗してしまえば、あなたのセールスレターの内容がどんなに優れたものだとしても、読み手には二度と読んでもらえなくなってしまうのです。
本文がいかに説得力に富んでいようと、あなたの商品・サービスがいかに素晴らしかろうと、読み手の注意を引きつけることができなければ、そのセールスレターで商品・サービスを売ることはできません。
ただし、いくらヘッドライン(見出し)が大事だからといっても、読み手の注意を引きつけるために、あなたが売ろうとしている商品・サービスと関係ないことをヘッドライン(見出し)に持ってきてはいけません。
例えば、人が何かを購入しようとするとき、楽しませてくれることをセールス担当者に期待するでしょうか?
それとも、自分の買おうとしている商品・サービスが、高品質で手頃な価格で手に入ることを知りたいでしょうか?
答えは明白ですよね?
読み手が何か、買い物する時は自分のニーズ、予算に合うものかどうかを判断するための情報が欲しいはずです。
優秀なセールスライターは、この事実をよく知っています。
プロのセールスライターは、ただ面白いだけのコピーや商品・サービスに無関係なテクニック、単なる言葉遊びではなく、その商品・サービスの訴求ポイントをヘッドライン(見出し)に入れます。
つまり、彼らはヘッドライン(見出し)に目を向ける時、読み手が一番何を知りたいのかを十分に心得ているのです。
効果的なヘッドライン(見出し)は読み手にこう語りかけます。
「ちょっと待ってください!あなたの悩みや問題はこういうことですよね?それを解決できるのは、この私ですよ!」
このように、「Qualify」では読み手に対して、大きな約束事(ビッグプロミス)を宣言していきます。
つまり、相手の「悩み」や「痛み」、そして「願望」をあなたが解決できることを力強く約束するのです。
下記の例のように逆に、あなたの解決策は、どんな人に役に立たないのかも明確にしていきます。
例:
あなたは次のうちどちらになることを選びますか?
① 社員に尊敬され人気もあるけど、儲からない会社の社長
② 社員には恐れられ嫌われているけど、儲かっている会社の社長もしあなたが①を選ぶ人なら、今日あなたに紹介する本はあなたには向いていないので、このページを離れて、他の本を探すことをお薦めします。しかし、 もしあなたが②を選んだなら、このまま読み進めてください。きっとあなたのお役に立てるでしょう。
この「Qualify」が読み手にとって重要なものであればあるほど「このセールスレターの中には、自分の欲しいものがある」と感じて、読み手はセールスレターの続きを読もうと思います。
セールスライティングとは「バケツ・リレー」である
セールスライティングはよく「バケツ・リレー」に例えられます。
つまり、一度、読み手の注意を引きつけることができたら、目的を達するまでは決して、途中で相手の関心を途絶えさせてはならないのです。
「Qualify」で最も重要な仕事は、そもそも、自分の問題や願望に気づいていない見込み客に、問題や願望に気づいてもらうことであり、それを彼ら、彼女らの一番の関心事に一気に引き上げることにあります。
これこそが、次のセクションに進むにあたっての決定的な鍵となります。
「Qualify」で問題や願望に気づいてもらうことができれば、読み手は、さらにセールスレターの「続き」を読もうとします。
2.Understand(理解・共感する)
「Qualify」で読み手を設定し、読み手に大きな約束事(ビッグプロミス)をしたら、次にあなたがやるべきことは「Understand」すること。つまり、読み手の「悩み」や「痛み」に対して、「理解・共感」を示すことです。
人を動かすものは理屈ではありません。感情です。人は感情で行動し、後から、その行動を理屈で正当化する生き物です。
ですので、読み手のことを頭で理解するだけでなく、「相手は今、どんな気持ちなんだろうか?」というように、読み手の感情に興味を持ち、理解し、そして共感を示していく必要があります。
例:
きっと私と同じように、あなたも営業で断られるのは嫌でしょう。人に拒絶されるのは辛いですよね。でも現実として、我々営業マンは、毎日が見込み客や顧客に拒絶される恐怖との戦いです。
- 断られたり非難されたりするのが怖い。そもそもアポを取るのが難しい
- 顧客からのプレッシャーで、値引きや悪条件を突きつけられて辛い
- 常に強いストレスがかかるためモチベーションを上げ続けるのが大変
といった悩みを抱えています。
しかし私は最近ある本を読んで、新しい営業スタイルを見つけました。それは、ほとんどの営業マンが知らない、「見込み客に必要とされる」という新しい営業スタイルです。これから5分間で、その方法を紹介しようと思います。
このように、
「あなたの悩みや痛みはよく分かります。私も昔、同じような経験をして、なんとか解決策を編み出して克服することができましたから」
というように、「Understand」では、あなたが「Qualify」のところで宣言した約束を実行できる人であることを読み手に分かってもらいます。あなたが過去に味わった苦痛や痛み、苦悩をさらけ出し、それを読み手と共有していることを示していきましょう。
それによって、あなたと読み手との間には信頼が築かれるとともに、読み手があなたのセールスレターを読み続ける理由となります。
傷口に塩を塗り込め
読み手に分かってもらうためには、読み手の抱えている問題について、詳細に語る必要があります。表現は少し、悪いかもしれませんが、「傷口に塩を塗り込む」ように、彼ら、彼女らの痛みを煽る必要があります。
読み手に、あなたとの一体感を持たせるために最も有効な方法とは、鮮明かつ現実的に、問題を描写し、強調していくことにあります。
これを言い換えれば、読み手とともに、問題や悩み、痛みを分かち合い、それに対する解決策を発見し、今後、さらに多くの苦痛をもたらすであろうことを警告していきます。
つまり、読み手が抱えている問題のことで、読み手の頭をいっぱいにさせていくのです。問題を読み手の心の中の頂上に引き上げることができれば、後は、その後のセールスレターの中で、ゆっくりと下ればいいだけになります。
「Understand」では、問題や願望の解決策への好奇心を刺激したり、他の商品・サービスでは得られないような恩恵・ベネフィット(便益)を提示してもOKです。ただし、オファーや商品・サービスの全体像を提示するには早すぎます。この時点で提示していいのは、他にはない独自のセールスポイントや、読み手にとって、あったら嬉しいような恩恵・ベネフィット(便益)、商品・サービスの背景にある開発秘話・ストーリーなどになります。
相手を理解しようとすれば、相手から理解される
「Understand」では、読み手にあなたと一体だと感じてもらうこと、仲間意識を持ってもらうことに集中していきましょう。また、「自分は理解されている」という感覚を与えるようにしていきましょう。
なぜなら、人は自分のことを理解してくれる人、自分の気持ちに真剣に共感してくれる人に心を開いていきます。逆に、どんなに能力があって優秀であっても、自分の気持ちを分かってくれない人には心を開くことはありません。
「Understand」で読み手の心を開くことができれば読み手は、さらにセールスレターの「続き」を読もうとします。
3.Educate(教育する)
「Qualify」、「Understand」の次は「Educate」です。
「Educate」とは「教育する、訓練する」という意味です。
ここでは、あなたが読み手の良きアドバイザーとなり、読み手の「問題」や「痛み」を解決できるということの「根拠」や「証拠」を示していきます。
また、ここで言う「教育する」という言葉は、何かを一方的に教え込むという意味ではなく、
「教え導く」
という意味で捉えてください。
「Educate」では、読み手の「問題」や「痛み」を解決するための具体的な方法を示していきます。
少し長いですが、「Educate」の例文を示します。
例)
2つのタイプの営業マン
営業マンには2種類あります。一つは「追いかける」営業マン。もう一つは「必要とされる」営業マンです。
テレアポで訪問の約束を取り付ける。飛び込み営業をする。断られるのを覚悟で、とにかくたくさんの人にひたすらアプローチする。など、数の多さで勝負し、こっちからプッシュして「お願いです。買ってください。」というスタイルの営業をしているのが、「追いかける」営業マンです。
彼らは、朝起きて、「今日は何件のアポが取れるんだろうか…」「何人が話を聞いてくれるだろうか…」「今日行く会社、契約できなかったらどうしよう…」「ヨソと比べられて、値切られたらどうしよう…」と、憂鬱な気持ちでベッドから出るのです。
このタイプの営業マンは毎日、断られる恐怖。そして自分自身のモチベーションと戦っています。
「必要とされる」営業マンとは?
「もうひとつのタイプが、「必要とされる」営業マンです。こっちのタイプの営業マンは、見知らぬ電話番号に突然電話をしてアポを取ることもなければ、飛び込み営業をすることもありません。なぜなら見込み客の方から営業マンに、「ぜひ話を聞かせてほしい」と集まってくるからです。営業マンはその「見込み客の順番待ちの列」に、順番に対応するだけです。
これはまるで、医者と患者のような関係です。医者が患者に「お願い」をすることがないように、営業マンも見込み客に「お願い営業」をすることはありません。医者が処方した薬を患者は価格に関係なく買うように、営業マンは見込み客にほとんど値切られることなく、契約を取ることができます。そして、患者が医者に「早く看てもらいたい」と思うように、見込み客は営業マンに「早く来てもらいたい」と思うのです。これが、「必要とされる」タイプの営業マンです。
彼らは朝、「あぁ、今日も自分を待っている見込み客がいる」と、営業マンとして誇らしく、充実した気持ちでベッドから出ます。毎日、ほとんど契約するつもりの見込み客「だけ」に時間を使えるので、より効率的に収益を上げることができます。もちろん、必死に売り込まなくてもいいわけですから、高度なセールストークをマスターする必要もありません。見込み客あたりのクロージングまでにかかる時間も短くて済みます。
つまり、「少ない労働時間で、高い収入を得られる」のが、この「必要とされる」タイプの営業マンなのです。
どうすれば、「必要とされる」営業マンになれるのか?
それこそが、この本「億万長者の不況に強いセールス戦略」で語られているメインのテーマです。これは、
- [アポの取り方]を教えるようなものではありません。
- 高度なセールストークや心理学のテクニック集でもありません。
- [足を使え!][モチベーションを上げろ!]などという、精神論、根性論でもありません。
営業マンから億万長者メーカーへ
著者は、ダン・ケネディ。営業マンとして大成功した後、彼はその営業ノウハウを世に伝えるビジネスをスタートしました。そしてそのノウハウを使った営業マンや起業家が、次々に億万長者になったので、彼のことを「億万長者メーカー」と呼ぶ人もいます。彼のアイディアは156業種のビジネスで応用され、それぞれのビジネスを革命的に成長させてきました。彼は毎年100万人以上の社長、起業家、営業マンに影響を与え続けている、セールス、マーケティングの天才です。
そしてこの本「億万長者の不況に強いセールス戦略」には、どうすれば「追いかける営業マン」ではなく、「必要とされる営業マン」になれるのか、その方法が書かれています。
ダン・ケネディの著書について
著名人からの推薦コメント「ライバル会社には内緒にしておきたい、と思わせる内容だった。いつ手にとってみても、学ぶことがある」と評している。まさにバイブルと呼ぶにふさわしい評価である。 さらに、神田氏は「本書をはじめて手に取った当時 —- 私は米国の家電メーカーに勤めるサラリーマン。日本市場の立ち上げが仕事だった。……自社のマーケティングプランをつくるために参考にしたのが、 本書である。開いたとたん、他のビジネス書とは、まったく違うと感じた。口コミ・紹介依頼法、顧客流出の食い止め方、電話で相手の住所を聞き出す方法等々、MBAでは学んだことがない実践策の宝庫だった」
ダン・ケネディの著書「究極のマーケティングプラン」東洋経済新報社 P2から引用 監訳者 神田昌典氏のコメント
ダンケネディはあらゆる面で天才でユニーク。私はいつも彼のどんなビジネスでも決定的な真実を見抜く力、そして、分かりやすい言葉でストレートにそれを言う力にいつも感服している。
彼のやり方はダイレクトだ。彼のアイディアは、非常識だ。彼のクライアントに結果をもたらす力は変わらない。この本であなたのビジネスライフと収入は永遠に変わるだろう。
byブライアントレーシー
どんなビジネスオーナーに対しても最低101のお金を作るアイディアをもたらす。
byアントレプレナーマガジン
私はダンケネディにコンサルティングを受けずに、重要なマーケティング上の決定をする事はない。ダンケネディが、本物の知識を誰よりも持っている事は疑いない。
byプロアクティブのガシーレンカー創業者のグレックレンカー
ダンケネディは、GR社の最初のTVショッピングからブレーンとして関わる
「Educate」では、あなたの商品・サービスを紹介していきます。
しかし、まだ売り込まないでください。
読み手の問題、悩み、痛み、願望の解決策が存在するだけではなく、その解決策が他のどんな解決策よりも優れているということを丁寧に説明していきます。
「Educate」は、セールスレターを山に例えるのなら、山の頂上に当たる部分になります。「Undestand」で構築した信頼を「Educate」で、さらに強化していくのです。
読み手を納得させるだけの解決作の「証拠」と「根拠」を数多く示して、あなたが示す解決作の信憑性を高めてください。これには、セールスレターを書いているあなた自身が信頼に値する人物であるという証明も含みます。
商品・サービスの特徴や読み手にとってのメリットを語り、読み手の誤解や疑問を払拭して、あらゆる買わない理由に応酬していきましょう。
そして、「Educate」では、視覚的な証拠となる要素、事例、デモンストレーションテスティモニアル(お客様や有名人の推薦文)を追加していきましょう。
テスティモニアル(お客様や有名人の推薦文)をセールスレターの早い段階で提示してしまうと読み手に「これは売り込みだ」と察知され、セールスレターを読むことを敬遠されてしまうので、テスティモニアル(お客様や有名人の推薦文)は、宣伝文句の後半に配置させてください。そうすることで、セールスレターの反応を増加させることができます。
4.Stimulate(刺激する)
「Qualify」、「Understand」、「Educate」の次は「Stimulate」です。
「Stimulate」とは「刺激する、興奮する」という意味です。
「Stimulate」では、読み手に対する圧倒的なベネフィット(利点)を示しましょう。
そうすることによって読み手は、
「これこそが、私が探し求めていたものだ!」
「これで、私の悩みが解決する!」
と感情を動かされ、購買行動へと向かっていきます。
人は感情で買い、理屈でそれを正当化する生き物です。
この「Stimulate」では、読み手の感情を徹底的に刺激していきましょう。
感情を刺激するポイントは商品・サービスの「機能」ではなく、「ベネフィット(利点)」を具体的に書いていくことにあります。
機能とは、その商品・サービスに関する厳然たる事実のこと、つまり、「その商品・サービスは何か?」「何を備えているのか?」ということです。
これに対して、ベネフィット(利点)とは、その商品・サービスの効能のこと、つまり、その商品・サービスの使用者が、その機能から何が得られるか、ということです。
読み手は、その商品・サービスが自分たちにしてくれることにお金を出します。
従って、セールスライターは、機能をベネフィット(利点)に翻訳して書く術を身に着けなければなりません。そして、セールスレターでは、そのことを読み手の立場に立って、具体的に説明していくのです。
<機能からベネフィット(利点)への翻訳の例>
・機能:鉛筆の軸は六角形になっている。
・ベネフィット:机から転がり落ちない。・機能:鉛筆の片方の端に消しゴムがついている。
・ベネフィット:書き間違えた時に、すぐに消しゴムで消せるので便利。・機能:消しゴムは、金属製の帯で鉛筆に固定されている。
・ベネフィット:しっかり固定されているので、消しゴムが落ちてしまうことがない。・機能:12本入り。
・ベネフィット:一度買ってしまえば、1ヶ月はもつ。・機能:日本製。
・ベネフィット:品質が保証されている。
「この機能は、読み手にとっては、どんなベネフィットがあるだろうか?」
「この機能によって、商品・サービスはより魅力的に、便利に、楽しく、あるいは価格に見合うものになっているだろうか?」
を自問自答しながら、書き出していきましょう。
例:目次・章立て
監訳者序文
すべての営業マン、起業家、経営者が身につけるべき「売る技術」……7
序文
抜きん出る仕事をしたかったら本書のすべてを血肉にせよ(トムホプキンス) ……10
はじめに
「ニューエコノミー」のもとで成功できる営業マン、退場させられる営業マン ……12
第1章
セールスを成功に導く15の戦略
1
ノーと言われることにタフになれ
若きダン・ケネディ、戦いの記録 ……28
セールスの達人がノーをイエスに変える方法 ……35
2
マイナス思考で備え、プラスの力を発揮せよ
「プラス思考」とは何かを誰もわかっていない ……42
時代が「マイナス思考の備え」を要求している……44
マイナス思考なら、世界一パワフルな売り込みができる…46
3
相手を動かすために耳を傾けよ
あなたも顧客も聞くスキルが欠如している ……49
<聞かない理由>他のことに気を取られている ……50
<聞かない理由>疲れている ……51
<聞かない理由>急ぎ過ぎている ……52
<聞かない理由>不利な状況、環境下で仕事をしている …52
誰もが自分の話を聞いてもらいたがっている ……54
あなたは目的を持って相手の話を聞いているか? ……56
知りたいことは相手が話してくれるようになる ……57
4
自分の精神を「堕落」から守れ
新人諸君II 年季の入ったベテラン」の言葉に耳を傾けるな…60
年齢や経験から多くを学べるとは限らない ……62
5
自らを美しくパッケージングせよ
第一印象を支配するものがビジネスを制す ……65
銀行員の偏見は、誰もが持つ偏見である ……66
あなたは正論を言って認められたいか、お金持ちになりたいか ……68
それぞれの役割にふさわしいファッションがある ……69
6
自分が何のためにそこにいるのかを忘れるな
なぜその場にいるのかを忘れて大失敗 ……71
売ることにのみ集中せよ ……72
臆病な営業マンには、お金は集まらない ……73
「聴衆からの評価」よりも大事なことがある ……75
先に延ばすな。欲しいものをすぐに手にしろ ……76
7
心の底から勝つ「つもり」で戦え
強いチームと弱いチームの決定的な違い ……78
個人の意志は組織全体にも影響を与える ……81
成功する人聞は、成功するつもりで、行動している …82
ダン・ケネディがモノを売るための全プロセス … …83
「つもり」が「信じる」になったとき、強い力になる …85
悲観論が覆う時代にモノを売るには ……86
8
最重要ツール「顧客の声」を駆使せよ
セールスで最もパワフルかつ重要なツール ……88
顧客の声があなたの正しさを証明してくれる ……89
顧客の声を活用しない営業マンは愚かとしか言しょうがない ……92
あなたの代わりに写真が雄弁に語ってくれる ……93
統計による証明が見込み客を引きつける ……96
実行する人だけにチャンスが生まれる ……98
9
シンプルがあなたを金持ちにする
セールスのためのK.I.s.s.の原則 ……102
決めるには選択肢が多過ぎる ……104
複雑なものを簡単にできれば金持ちになれる ……105
合理的で、シンプルなプロセスが求められている ……106
10
もっと大金になって戻ってくると証明せよ
割引価格でお金を提供するビジネスとは ……109
売り込む相手を誰にするか ……112
行動しなければ何を失うかを知らせる ……114
コモデイティビジネスから抜け出すには ……116
どんな価値を付加したらいいのか ……118
サービスを目に見えるものにすれば、付加価値を作り出せる …120
想像力を駆使して付加価値を作り出す法 ……121
11
常に異なる条件で比較せよ
価格への抵抗を退ける秘密 ……125
フェアな勝負にここだわるな。ルールは変えてしまえばいい ……126
専門家になってカスタマイズしてあげよう ……128
12
最も有効な口説き文句「無料」を使いこなせ
わかっていても私たちは「無料」に引きつけられる …133
「ただで」手に入れるチャンスが欲しい ……135
「高額のセールス」を有利に運ぶための特典の付け方 …135
13
「神秘性」というマジックを身にまとえ
どうすれば価値があると認められるのか ……137
消費者が感じたものこそが真実である ……138
誰でも自分だけの神秘性を作り出すことができる …139
手の内を明かすことで尊敬を集められる ……141
大事なのは、顧客から見て新しく見えるか ……142
14
利口者より粘り強い馬鹿になれ
利口者が悩んでいる聞にうまくやり遂げる人たち ……144
馬鹿な新人が、ベテランを乗り越えるのは難しいことではない ……145
「粘り強き」が結果を出すためのルール ……147
成功を生むのは、失敗か成功か? ……148
15
こんな時代だからこそ足を運べ
利口者が悩んでいる聞にうまくやり遂げる人たち ……144
馬鹿な新人が、ベテランを乗り越えるのは難しいことではない ……145
「粘り強き」が結果を出すためのルール ……147
成功を生むのは、失敗か成功か? ……148
第2章
あなたの顧客はどこにいるか
16
顧客を探すな! 求められるようになれ
顧客探しなんて大嫌い ……156
プロとして求められるポジショニングを占めよ ……158
どうすれば、見込み客があなたを見つけてくれるのか …158
取り替えがきくセールスマンにはなるな ……165
営業相手に求める2つの要素 ……168
どっちが大仕事なのだろうか ……168
17
「リード・ジェネレーション広告」で顧客を引きつける
電話をかけてきたところだけ行けばいい ……170
「どうやったら守衛を突破できるか」なんて考えるな! …171
歓迎されるゲストになろう ……172
特定の人々にだけ信号を送る「広告」の意味 ……173
リード・ジェネレーション広告の効果的な出し方 ……176
価値あるDMの使い方 ……177
人を引きつけるヘッドラインとは ……178
広告効果の高いメッセージとは ……179
オンラインなら広告効果の違いがわかる ……180
引き寄せたい相手に合った「餌」を用意せよ ……182
第3章
すぐに結果を出せる人のセールス
18
セールス・プロセス6つのステップ
買う気がない人に売ろうとしていないか? ……194
見込み客がはっきりしたら、このプロセスで、成約に導け …197
「信頼」をバネにしてセールスで成功する秘訣 ……208
第4章
何が、セールスの成功を邪魔しているのか
19
上司が優秀だとは限らない
営業を駄目にする一番の原因 ……216
駄目な上司のたわ言 ……217
良い上司と駄目な上司の大きな違い ……221
20
自らを駄目にする6つの愚かな習慣
ニューエコノミーがもたらす容赦ない選別 ……222
第5章
「テイクアウェイ・セリング」その並外れた力の秘密
21
恐るべきパワーを持つ営業法
ダン・ケネディ20年の研究成果 ……228
「需要と供給」理論が証明してくれること ……228
見込み客の「ふるい分けjが営業に力を与える ……236
ニューエコノミー下でテイクアウェイ・セリングを行なえば…238
22
「セールス」に携わるすべての人に贈る言葉
セールスとは今まで述べたこと以上のものである ……246
付録
セールスを助けるツール集
セールスを支援するコミュニケーションの技術 ……249
『人の心の読み方』 ……250
必読書 ……275
重要戦略の要約 ……275
ダン・ケネディ著作 ……276
「Stimulate」では、あなたのオファーを提示して、その価値を売り込んでください。
ここでは、あなたのオファー(商品・サービス)の全容が明らかになります。
そして、さらに、あなたのオファー(商品・サービス)に追加の価値を付け加えていきます。
例えば、特典を付け加えたり、保証を付け加えたり、希少性を強調したり、同じように見えて、異なるものと比較したりしましょう。
同じように見えて、異なるものとの比較とは、「Apple to Orange」といいます。つまり、リンゴとオレンジを比較するのです。「Apple to Orange」とは、あなたの提供する商品・サービスを購入する場合に支払うことになる価格と、購入しなかった場合にかかる最終的なコスト(ここでいうコストとは、経済的なコストに限りません。心理的コスト、物理的コスト、時間的なコスト、労力なコストを含みます)と比較していきましょう。
そして、「Stimulate」では、「Qualify」、「Understand」、「Educate」とあなたのオファー(商品・サービス)を結びつけ、まとめていきます。つまり、「Qualify」で言及した問題に再び触れて「Understand」で述べた解決策の効果を強調し、「Educate」で説明した特徴とベネフィットとオファー(商品・サービス)とを結びつけ、まとめていくのです。
ここで、あなたの言っていることに読み手が納得し、十分に動機づけされれば、読み手は、もう「その先」を読まずにはいられなくなります。
5.Transition(行動させる)
「Qualify」、「Understand」、「Educate」、「Stimulate」の次は「Transition」です。
「Transition」とは「行動に移す」という意味です。
「Stimulate」で感情を動かされたところで、例えば、
「〇〇したい人は、今すぐこちらをクリックしてください」
「申し込み期限は○月○日までです」
「〇月〇日までにお申し込みの方には、豪華特典をお付けします」
というように、「読み手にして欲しい行動」を具体的な言葉にして書いていきます。
そして、申し込み期限を設けたり、さらなる特典をつけて、読み手に今すぐの行動を促します。つまり、「Transition」の最大の役割は、見込み客から顧客へと変化してもらうことにあります。
「Transition」では、注文フォームを配置し、定価、売価(値引き後)、追伸、追加のテスティモニアル(お客様や有名人の推薦文)などを配置していきます。
そして、何よりも、「Trantision」では、読み手の欲望に火をつけて、読み手がすでに、あなたの提案する商品・サービスを所有しているかのように感じさせ、行動を喚起することが必要になります。なぜなら、ここまで来て、読み手が行動を躊躇してしまうようなことがあれば、これまでの努力が水の泡となってしまうからです。
例:
まずは、今日、この商品を試してみてください。 そして、「追いかける」営業マンから「必要とされる」営業マンになれるかどうか、90日間試してみてください。
もし、90日以内に「必要とされる」営業マンになれなければ、この本を送り返してください。どんな理由があろうと、購入日より90日間以内に、商品を返品していただければ、代金は全額お返しいたします。
著者のダン・ケネディは、本書の「セールスに携わるすべての人に贈る言葉」の中で、こう言っています。
セールスには重要な価値がある。美しいセールスは称賛に値する。しかし一方、一部の消費者や粗探し屋からは、醜く怖いものと見なされ忌み嫌われる対象にもなっている。
しかし経済にとって、セールスとは血液だ。もし経済がもっぱら消費者やビジネス自身の主導で営まれ、必需品しか買われないとしたら、世界全体がたちまちのうちにひどい状態に陥るだろう。
我々は政治家が、弁護士が、教師が、その他ほとんどの職業の人間が休暇をとっても、間違いなく数ヶ月はやっていける。しかしもし、セールスマンがいっせいに休暇をとったとしたら、我々は1ヶ月も生き延びることはできないに違いない。
もし今日、セールスマンがものを売ることをしなければ、来週はすべての人が食うに困ることになるはずだ。だからすべての人々が、毎日セールスマンに感謝の祈りを捧げるべきなのだ。それほどに誇るべき事柄なのである。
— ダン・ケネディ
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もしあなたが、少ない時間で高い収入を得たいなら…
もしあなたが、見込み客に必要とされる、誇り高い営業マンでありたいと思うなら…
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超一流のダイレクト・レスポンス・コピーライターと言われているジョン・カールトンはこのように言っています。
「見込み客のことを考えるときは、夢遊病の巨大なナマケモノが長椅子に寝そべっていて、眠っている巨体を動かうのが嫌でたまらず、電話もわずかに手の届かないところにある、といった様子を想像するように」
あなたの目的は、セールスレターを書くことによって、商品・サービスを売ることです。
あなたは、このような読み手を行動に駆り立てて「今すぐ動こう!」という気を起こさせなければならないのです。
しつこいようですが、あなたの目標は商品・サービスのブランドを確立させることではありません。
あなたの目標は読み手からの今すぐの反応を得て、商品・サービスを売ることにあるのです。
まとめ
以上が、反応が取れるセールスレターの「5つの流れ」、
1.Qualify(絞り込む・対象者を選別する)
2.Understand(共感する)
3.Educate(啓発する)
4.Stimulate(興奮させる)
5.Transition(変化させる)
「QUESTフォーミュラ」になります。
この「QUESTフォーミュラ」の流れはとてもシンプルなものですが、人間の基本的な心理に沿っています。
ですので、この流れに沿ってセールスレターを書いていけば大きな失敗をすることがなく、反応の上がるセールスレターを書くことができるようになるでしょう。
「QUESTフォーミュラ」は「型」なので、何がなんでも当てはめる必要はありません。それでも、セールスレターを書くことに慣れていないうちは、この「QUESTフォーミュラ」に当てはめて、セールスレターを書くことをお勧めします。
最後に、この「QUESTフォーミュラ」を開発・提案したマイケル・フォーティン氏の言葉を紹介します。
自分自身にQUESTを強制しないことだ。適切な流れを持った広告文を作るガイドとして使えばいい。
山に様々な形や大きさがあるのと同じように、見込客の購買意欲にも様々な段階がある。登る山に応じて違った登り方が必要だ。そして地点によって見える景色も変わる。しかしどんな登山にも3つの共通点があることは覚えておいてほしい。それは以下の3点だ。
1. 上りセクション
2. 頂上セクション
3. 下りセクション
宣伝文にも、これと同じ流れを持たせなければならない。すなわちそれは、以下のような流れだ。
1. 見込客を引き込む(Pull them in)
2. 提案の正しさを証明する(Prove your case)
3. 行動に駆り立てる(Push them to act)
日本の武道や伝統芸能の世界では、昔から「守・破・離」という言葉があるように、まずは「型」を守り、ある程度の経験を積んできたらそれを捨てるのではなく、踏まえて乗り越えていくことが、何事においても「上達への近道」となるのです。