物語から学ぶセールスライターの心得5:ましての翁

今回は「セールスライターに不可欠な心得」を物語を通して、紹介していこうと思います。

今回の物語は「ましての翁」です。

目次

ましての翁

以前、近江の国に仏教の篤信者がいた。

その者は普段から何事につけても「まして、まして」と言っていたので、近所の人たちは「ましての翁」というあだ名をつけていた。

暑い日に道で会ったとき「本当に暑いですね」と挨拶すると、その老人は「暑いには違いない。人間の世界でもこのくらい暑いのだから、まして焦熱地獄ではどのくらい暑いかはしれない。それを思えば、このくらいの暑さは辛抱しなければなりません」と答えた。

寒い日に道で会ったとき「たいそう寒いですね」と挨拶すると、その老人は「寒いには違いない。人間の世界でもこのくらい寒いのだから、まして八寒地獄にでも落ちたら、どのくらい寒いかしれません。それを思えばこのくらいの寒さは我慢しなくてはなりません」と答えた。

老人はこのように何事についても、生涯不平不満を言わず、いつも人に対して「まして、まして」を連発し、いつもニコニコしながら生活していたという。だから、人は本名を呼ばないでこの老人のことを「ましての翁」と呼んでいたとのことである。

完璧なセールスレターやマーケティングなど存在しない

セールスライターがこの物語から学べることは、自分や他人の仕事の成果物に対して完璧を求めてはいけないということです。

こんなことを言うと「社会人としてどうなの!」と厳しいお叱りを受けてしまいそうですが僕の経験上、60%の成果のものを70%、80%に上げようと時間と労力をかけるよりも60%でスタートしてしまって、市場にいる見込み客や顧客から直接フィードバックをもらう方が仕事の成功確率は高くなります。

つまり、そこそこのものができたら即、それを試すことで改善点もすぐに把握できるし、失敗するのであればそれがすぐに分かって軌道修正することができます。

インターネットが存在しない時代であれば、もしかしたら完璧を目指すことがビジネスで成功することに直結していたのかもしれませんが、インターネットを使うことが日常のこの変化の時代、遅れは致命傷になることさえあります。

生き残る者は強い者ではなく、変化に対応できる者

ダーウェンが種の起源で「生き残る種族は最も強い種族ではなく、最も変化に適応することができた種族だ」ということを述べている通り、あなたや僕の日々の仕事も常に変化をしています。

そして、その変化を知るための最も有効な方法はスピーディーに動き、市場や見込み客、顧客から直接フィードバックをもらうことにあります。

もし、あなたが今、時間をかけて頑張っていることが結果的に失敗に終わってしまうとすれば、あなたはそれをいつ知りたいでしょうか?

僕は「今、知りたい!」と心から思います。

現実を直視することは厳しいですが、軌道修正するなら早ければ早いほど良いですよね?

集中して仕事に取り組み、早く失敗しよう!

世の中の成功者がやっていることをよく観察していると彼ら彼女らは物凄いスピードで行動していて、大小たくさんの失敗も経験していることに気づきます。

つまり、彼らは頭がいいから成功しているのではなく、途方もないスピードで仕事をこなし、挑戦し続けているのです。

自分にも他人にも厳しいことは美徳のように聞こえますが、度が過ぎると「気がつけば、いつしか自分だけ変化から取り残されていた」という残念な結果になってしまう可能性もありますので、基準を上げすぎないで、「まあ、こんなもんだろう」とほどほどで良しとする考え方も持ち合わせる必要があるのです。

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