正しい文章よりも「相手の頭の中にある言葉」を書こう!

セールスライターとしてお客さんと仕事をしていると、こちらが提出した文章に対して、チェックが入ることがあります。

その時、プロのセールスライターとして、注意してほしいことがあります。

誤字・脱字に対しては、すぐに修正をすればいいのですが、難しいのは「文章の勢い」や「感情」が削がれてしまうような修正依頼です。

例えば、ささいな文章ですが、このようにお客さんから文章を訂正されたとします。

【セールスライターの文章】

「頭では分かっているだけど、なかなか行動できないんだよな、、、」

【クライアントの修正依頼文章】

「頭では理解していても、なかなか行動できない」

あなたはこの2つの文章を読んでみて、どう違うのか、分かりますか?

文章の意味としては同じですが、「伝わってくる感情」が違うのです。

もちろん、正しい文法、日本語としては、クライアントの修正依頼文章の方が正しいのですが、「苦しさ」「もどかしさ」といった感情が見事、削ぎ落とされてしまっています。

米国ダイレクトレスポンス広告界の第一人者であり、広告の仕事に携わる人であれば一度は聞いたことがある「現代広告の心理技術101」の著者であるドルー・エリック・ホイットマンはこう言っています。

人間には以下8つの欲求が生物学的にプログラムされている。

1.生き残り、人生を楽しみ、長生きしたい。

2.食べ物、飲み物を味わいたい。

3.恐怖、痛み、危険を免れたい。

4.性的に交わりたい。

5.快適に暮らしたい。

6.他人に勝り、世の中に遅れを取りたくない

7.愛する人を気遣い、守りたい。

8.社会的に認められたい。

これらに意義を唱える人などいるだろうか?

私たちはみなこれらのことを求めているのではない。

だが、いったいあなたの広告のいくつが、LF8のどれかに率直にアピールしているだろう?

たとえアピールしているものがあったとしても、かなり少ないはずだ。私がここまで疑うのはなぜだろう。あなたにそうしろと教えた人間がいたとは思えないからだ。

LF8のどれかをもとに広告をつくれば、自然の摂理の力を利用できる。ズバリ人間を行動させる本質的なものの力を利用できるのだ。

LF8への欲求を避けて通ることはできない。人間はこの8つの欲求を携えこの世に生まれてきたのであり、生を終える日までこれらと無縁ではいられないのだ。たとえば、あなたにこんなことができるだろうか。

*食べたいという欲求を振り払えるか?(LD8の2番目)

*生き残りたいという意志を抑えられるか?(LF8の1番目)

*物理的に快適でありたいという欲求を消し去ることができるか?(LF8の5番目)

*自分の子どもが道路を横切る前に左右を見ようが見まいが、どうでもいいと思えるか?(LF8の7番目)

この問いへの答えを得るのに研究を行う必要などない。答えは明らかだ。これらの欲求は私たちの体内に生物学的にプログラムされている。私たちを人間たらしめている要素の一部である。

そして賢い広告主は、プラグをコンセントに差し込むがごとく、こういった欲求を活用できるのだ。

「現代広告の心理技術101(著者:ドルー・エリック・ホイットマン)」より引用

セールスレターやブログ記事は、大学の論文とは違います。

セールスレターやブログ記事は、正しい文法や日本語よりも、見込み客や顧客が普段、頭の中で考えていることや話している言葉の中に自然と入っていくような文章を書く必要があるのです。

そして、その言葉は常に、LF8(8つの欲求)に直結している言葉である必要があるのです。

だから、時には、クライアントからの文章の修正依頼に対しても、プロのセールスライターとして「受け入れられるもの」と「受け入れられないもの」を明確に区別して、うまくコミュニケーションをとっていく必要があるのです。

最初のうちは、もしかしたらお客さんに理解してもらうことが難しいかもしれませんが、これを理解しているかどうかで、セールスレターの反応率が大きく変わってきてしまいますので、プロのセールスライターとしては、うまくお客さんとコミュニケーションをとって理解してもらうように努力していきましょう。

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